以前のブログでも、筋肉量を維持するために、1日のタンパク質の摂取量を体重あたり約1グラム以上とすべきであるとするエビデンスを紹介しました。

今回は1日に3食(朝・昼・晩ご飯)摂取する際の、各食事(一食)に含まれるタンパク質の重要性についてお話をしたいと思います。

 

3食の食事における配分の重要性

高齢者を対象とした研究では、1日のタンパク質の総摂取量が体重あたり1グラムを超えていたとしても、朝昼晩の3食のタンパク質の摂取の配分が不均等であると高齢者の場合はフレイルになりやすいと報告されています。

Bollweinら(2013)の研究で、75歳以上の高齢者の3食の食事でのタンパク質の配分とフレイル(Friedら(2001)の基準に基づいた”虚弱”な状態。筋力や筋機能の低下を含む)の関係性を評価しました。

その結果、3食の合計である1日のタンパク質の総摂取量は虚弱な高齢者と健常な高齢者で同じだったにも関わらず、朝食でのタンパク質摂取量が少なく3食のタンパク質摂取量にばらつきの大きい高齢者はフレイルの危険性が最も高かったと報告されています。

 

日本の健康な高齢男性は晩御飯にタンパク質の摂取が集中し、朝と昼のタンパク質の摂取量が少ないことを我々も報告しています(YoshiiらJ Nutr Sci Vitaminol, in press)。

こういった偏ったタンパク質の摂取(あるいは一食におけるタンパク質摂取量が少ない場合)は日常生活における筋肉の合成を低下させ、筋肉量の減少を引き起こしていると推測できます。

 

朝食欠食?朝はパンだけ?足りないタンパク質は補いましょう

Norton(2016)の研究では、50〜70歳代の男女を対象に、朝と昼ご飯で不足しているタンパク質を意図的にミルクプロテインで増やした結果、24週間後に全身の除脂肪体重(筋肉の指標)が有意に増加したことを報告しています。

以上の結果から、現状の食事でタンパク質が足りていない場合も、補充すればサルコペニアを予防できることが推測されます。

 

晩ご飯に集中してタンパク質を摂取するアンバランスなタンパク質摂取ではなく、朝食を含む全ての食事に十分なタンパク質が含まれているかに注意を払うべきです。

 

 

参考文献:

  1. Bollwein, J., et al., Distribution but not amount of protein intake is associated with frailty: a cross-sectional investigation in the region of Nurnberg. Nutr J, 2013. 12: p. 109.
  2. Norton, C., et al., Protein Supplementation at Breakfast and Lunch for 24 Weeks beyond Habitual Intakes Increases Whole-Body Lean Tissue Mass in Healthy Older Adults. J Nutr, 2016. 146(1): p. 65-9.